最早それは血であり肉である。② 〜罪と罰編〜

結婚の話しを聞いたとき、どうすればよかったのだろうか・・・
今、思えば彼女を引き止めるチャンスであり、彼女が止めて欲しがっていたサインであったのか・・・
おめでとう。と言って別れたのだが何が一体おめでとうなのだろうか・・・
帰りの車の事はほとんど覚えていない。景色だけが後ろへ流れて、産まれて初めて呆然としたのだ。

それから頑張ったのだよ、本当に・・・
噂で結婚式の時期だけはなんとなく把握していたがお互い連絡もとらずに季節は巡り冬がいつしか秋へと。

ぼちぼち結婚しちゃったんだろうなぁーと考えていた時、携帯がなる。
「明日結婚式やねん。・・・会いたい」
馬鹿だねぇー僕は会いにいってしまったのさ・・・
新婦は準備が大変なので前日からホテルに泊まるってのはよくあること。
一晩一緒にいて温もりを感じる。
今までの切なさとこれからの痛みなどその瞬間、どうでもよくなったのだ・・・

彼女が悪いのではなく、僕が悪いのではなく、しかし、向こうの旦那に申し訳がない。
しかし、また始まってしまったのだ、最悪の形で。

だが、その時の二人には理屈などなく、最早、血であり肉なのであった。
そしてこれから苦悩する二人の罪と罰の始まりでもあった・・・

・・・to be countenue